超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

『我ながら自信作だ、売れるといいな……ボクは絶対に贋作なんて描きたくない……!』

(えっ!?)

「特に問題ないな、シャルロット?」
「え、ええ」

テオドールの声で我に返ったシャルロットは、平静を装って返事をした。

「では、お包みいたしますので、あちらのお部屋でお待ちくださいませ」
「ああ」

モリスに促されて、テオドールとシャルロットは個室に入り、ソファーに腰を下ろした。
隣に座ったテオドールが、シャルロットに小声で耳打ちする。

「何か視えたのか」
「すぐ離したので、声だけ聞こえたのですが……」

シャルロットは小さな声でテオドールに聞こえた内容を教えた。

「贋作依頼か。まだ描いてなければ、罪に問えない」
「ですよね……」

シャルロットは腕を組んで考え込む。

「描きたくないという言い方が気になりますね……」
「考えられるのは、脅されているか、生きるために描かざるを得ないか」
「じゃあーー」