双子が眠ったあと、リビングでコーヒーやお酒を飲みながら他愛ない会話をする時間が野々花はとても好きだった。
当初は男性と同居するなんて落ち着かないだろうと考えていたけれど、想像以上に快適に暮らしている。
この生活は一哉の姉が帰国するまでの二ヶ月間限定と最初から決まっていたせいか、途中で終わる想定を全くしていなかった。
「……いやいや。もしもそういうことになった時のために、ちゃんと次の新居を決めておかないと」
野々花は自分を戒めながら自席に戻ると、感情を切り離して仕事に集中するのだった。
◇
「わぁ! うしゃしゃん!」
「みて、うしゃしゃん!」
満面の笑みではしゃぐふたりの写真や動画をスマホに収めながら、野々花は双子に手を振り返す。



