勢いで始まった同居生活は毎日がドタバタで、あっという間に一週間が経った。
今日も維月が着替えの途中で逃げ出したり、李月が歯磨きをしたくないと大泣きしたりと、朝からてんやわんやで危うく遅刻するところだった。イヤイヤ期の双子を宥めながら朝の支度をするのは、気力もいるし時間もかかる。
けれど、ひとり暮らしが長い野々花にとって賑やかな暮らしは実家を想起させ、思いがけず楽しいものになっている。双子が懐いてくれて可愛いのもあるけれど、きっと一哉がなにかを野々花を気にかけてくれているおかげだ。
他人同士が一緒に暮らすのだから気を遣う部分もあるけれど、基本的に家にいる間は双子も一緒だから変に意識することはないし、お風呂や洗面所を使うタイミングをしっかり分けてくれているため無防備な姿でバッタリ出くわしてしまうこともない。
料理を作るたびに「ありがとう」「おいしい」とお礼や感想を伝えてくれるのも嬉しくて、双子だけでなく一哉にも喜んでほしくて献立を考えるようになったくらいだ。
なにより、一哉と過ごす時間は単純に楽しく、とても心地いい。彼は双子の世話の手伝いを野々花に頼んだものの、すべてを丸投げするような真似は決してしなかった。掃除や洗濯は率先してやっているし、食事の後片付けはいつしかふたり並んでするのが日課になりつつある。



