対応を誤ると取り返しのつかないダメージを負うため、慎重に動かなくてはならない。広報のひと言が記事のトーンを左右することもあるため、かなり気を遣うのだ。
とはいえ、こうした対応は初めてではない。
相澤は芸能人ではないにも関わらず、遣り手の青年実業家として世間に顔が知られている。年商百億を超えるIT企業の副社長であり華やかなルックスを持つ彼は、経済誌にとどまらずファッション誌の表紙を飾った経験もあり、多くの女性たちを虜にしているのだ。
本人の〝女性を見れば口説かずにはいられない〟というフットワークの軽さも相まって、これまでに多くの浮名を流している。
相澤いわく、どの相手とも交際をしているわけではなく一晩だけ、あるいは身体のみの関係らしい。不倫などではないし、互いに同意の上で割り切った関係のため疚しいところはないが、芸能事務所に所属してる女優やモデルが相手ではバカ正直に答えるわけにもいかない。お相手の事務所にも確認し、それに準ずる対応をするというのがセオリーだ。
「副社長、相変わらずモテますね」
文乃も相澤の熱愛報道の対応には慣れているため、特段慌てることもなく感心したように言った。
「あれだけ仕事が忙しいはずなのに、よくこんなに遊べるよな」
「あ、健先輩、羨ましいんですか?」
「アホか、違うわ」



