しかし、こうしてプライベートな一面を見せられ、さらに名前で呼んでみると、当たり前ながら一哉もひとりの男性なのだと強制的に理解させられた気分だった。
頬がかぁっと熱くなる。ただ名前を呼ぶだけで過剰な反応をしてしまう自分が恥ずかしくて、野々花はそそくさと話題を変えた。
「あの、そろそろふたりを起こした方がいいんじゃないですか? 私は飲み物を用意しておくので」
「あ、あぁ、そうだな。起こしてくる」
どことなく一哉までぎこちない雰囲気を感じた気がするけれど、気のせいだろう。
今日から二ヶ月間、改めて一哉と双子との生活が始まるのだ。いちいち意識していては一哉だって煩わしい思いをするだろうし、野々花だって落ち着いて生活できなくなってしまう。
(社長……じゃない、家での一哉さんに早く慣れなくちゃ)
彼は寝室へ向かうと、ほどなくして双子を連れて戻ってきた。
ふたりは寝起きが悪いのかリビングに入ってきた時には目が開いていないような状態だったけれど、野々花を見つけるやいなや飛びつくように駆け寄ってくる。



