本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「でも、いくらお子さんたちの面倒を見るシッター的な役割とはいえ、一緒に住むなんて……」

野々花には、これまで他人と住んだ経験がない。恋人がいたことがないので、異性の部屋に泊まったことすらないのだ。急に男性と同じ屋根の下で暮らすなんてハードルが高すぎる。

しかし、一哉はめげなかった。

「客間には鍵がついているし、さっきのような格好で君の前に出ないようにこれからは気をつける。もちろん、嫌がることは絶対にしないと約束する」

真剣に言い募る表情に、野々花は小さく喉を鳴らす。

(モテることにうんざりしている社長が私相手に変な気を起こすわけがないし、私もここに居候させてもらえるのならネットカフェ難民から脱出できる……)

報酬うんぬんは置いておくとしても、きちんとした部屋で安心して眠れるというだけで、一哉からの提案は魅力的だった。

「……本当に、私でいいんですか?」
「もちろん。君がいいんだ」