両側から膝にぎゅっと抱きつかれた野々花は、小さなふたつの背中をとんとんと優しくたたく。
「大丈夫。また遊ぼうね」
「ほんとぉ?」
「うん、本当。じゃあ、おしまいに絵本を読もうか。可愛いうさぎさんのお話だよ」
野々花が絵本を読み終えた頃には、リビングのラグでふたりの天使がぐっすりと眠っていた。
一哉が維月と李月を寝室へ移動させている間に、野々花は再びキッチンに立ち、今度は自分と一哉の分の夕食を作る。
有り物の材料で作ったため、豆腐とわかめの味噌汁と、野菜炒めをたまごでとじただけの名前もないような料理だったが、彼は「おいしい」と言って食べてくれた。
ダイニングテーブルで向かい合って食べ終えると、改めて彼は頭を下げる。
「非常識なのは重々承知しているが、やっぱり宮部さんに頼みたい。できればここに住んで、双子の面倒を見るのを手伝ってもらえないか? 報酬もできる限り希望に応じる」
たった数時間の短い間だが、一哉がどれだけ苦労しながら双子の面倒を見ているのかは理解できた。いくら愛情があるとはいえ、ひとりでできることは限られている。維月と李月が懐いてくれたのを嬉しく思うし、とにかく可愛くて癒やされる。自分にできることなら、一哉の負担が軽くなるように手伝いたいとも思う。



