そちらに視線を向けた野々花は、思わず「ひゃあっ」と叫び声を上げる。洗いざらしの髪にスエットのパンツを穿いた一哉は、上半身裸だったのだ。
「なっ、なにか着てください……!」
細身のスーツの上からでは知り得なかったが、一哉はかなり鍛えているらしい。弟たちとは違う逞しい体躯を目の当たりにし、心臓がドキドキと高速で脈打っている。凶暴なまでの色気を振りまくその姿に、野々花は勢いよく背を向けた。
「あ、悪い。いつもの癖でつい」
慌てた様子で着替えに行く一哉に申し訳なく思いつつ、彼が持ってきたタオルを借りて維月の身体を拭いて着替えさせた。
「すごくいい匂いがする」
すぐに戻ってきた一哉がくんくんと鼻を鳴らすと、双子も真似をして「いいにおーい」とはしゃぐ。
「ご飯できたよ。お腹すいてるかな?」
「いちゅき、たべる」
「りちゅきもー」



