よく見れば、一哉の美しく整った切れ長の目の下に、うっすらと隈ができている。二歳前ならば、環境が変化したことで夜泣きする日もあるのかもしれない。
(これは、さすがに放って帰れないよ……)
ちらりと時計を見ると、午後六時半を過ぎたところ。野々花の実家では夕食の時間である。
「社長。ふたりのお夕飯は、いつもどうされているんですか?」
「シッターがいた時は作り置きを頼んでいたんだが、解約してからはネットスーパーで出来合いのものを買ってる。手作りがいいとわかってるから食材も買ってはあるんだが、料理をしている余裕がなくて」
「あの、じゃあ私が作ってもいいですか? 幼児食も作り慣れてるので」
野々花の提案に、一哉が目を見開いた。
自分でもお節介を焼いている自覚はある。それでも放っておけないと思うのは、おしゃれなテーブルやカウンターの端にふわふわ素材のベビーガードが貼られており、一哉が双子のために心を配っているのがわかったからだ。
野々花が母や弟妹を思うのと同じように、一哉も姉や甥っ子を大切に思っている。だからこそ手助けをしたくなったのかもしれない。
「社長はふたりとお風呂に入ってきてください。その間に、私が夕飯を作ります。あ、苦手なものやアレルギーはありますか?」



