きゃっきゃとはしゃぐ双子の声が、ホテルのような絨毯敷きの内廊下に響くのを聞きながら、野々花はなかば呆然としながら玄関に足を踏み入れた。
「はやくっ」
「あしょぼー!」
「こら、靴はちゃんと揃える!」
一哉の忠告も聞かず、維月と李月は靴を脱ぎ散らかしたまま一目散に部屋の奥へと駆けていく。
「ったく。何度言っても聞かないんだよな。悪い、宮部さん。上がって」
一哉が苦笑しながら双子の靴を揃えようとするのを、野々花は「待ってください」と止めた。
「こういうのは、初めが肝心なんです」
緊張しているものの、これは見過ごせない。野々花は奥に走っていった双子に聞こえるよう、少し大きな声で言った。
「あー、大変! 維月くんと李月くんのお靴が泣いてる!」
すると、野々花の声に反応したふたりが、とことこと戻ってくる。
「ちゃんと揃えて仲良しにしてほしいんだって。できるかなぁ? 私は上手にできるよー!」
「いちゅき、できりゅ」
「りちゅきも! なかよし、しゅるよ」



