本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「仕送りの額を減らしたくはないけど、さすがにこの辺りで前と同じ家賃なんて無理だよね……」

昨日の目まぐるしい出来事を振り返り、野々花は何度目かのため息をついた。昼食にと買ったはいいものの、たまごサンドに手をつける気にはなれない。

幸い全焼はしなかったものの、部屋は煤で汚れた上に水浸しで当分は住めそうにないらしい。ワンルームで狭い部屋だったが、それでも二年おきに契約を更新して住み続けていたのは、職場へのアクセスがよかったのはもちろん、家賃が破格だったからだ。

事故物件などではなくオーナーが学生や若い社会人を応援したいと破格で貸し出しているのだそうで、オートロック付きだしバスとトイレも別。激安スーパーが近くにあるのもポイントが高い。そうした条件を満たしている上、この辺りの相場の半額ほどという家賃はとても助かっていた。

今日は朝からマンションの管理会社や保険会社と今後の対応について電話で話す傍ら、当面の服や日用品を買いにいった。これだけでも痛い出費だが、さらに今後は引っ越し費用が必要になる。

今のマンションの修繕が終わるのに、きっと半年近くはかかるだろう。仮住まいのウィークリーマンションで数カ月暮らすよりは、いっそ引っ越した方がいい。そう考え、以前と同じ価格帯の物件をいくつかネットで見ていたのだけれど……。