そう説明すると、一哉はなにやら考え込んでいる。沈黙が居た堪れない。
「状況はわかった。それなら双子の面倒を見てくれる代わりに、うちの空いている部屋を使ってくれて構わない。家賃はかからないし、食費なども全額こちらが持つ。次の家を探すのに貯金ができるだろう」
名案だと言いたげにこちらを見る一哉に、野々花は目を見開いた。
「い、一緒に住むってことですか?!」
「その方が君にとってもいいだろう。ネットカフェなんて危険すぎる。これまで無事だったのが奇跡だ」
一哉は、住み込みで双子の世話を手伝ってくれる人材がほしい。野々花は住むところがなくて困っているし、ネットカフェでの生活は苦痛と不安だらけなのでとても助かる。彼にしてみれば、とても合理的な提案なのだろう。野々花にとっても渡りに船だ。
けれど、この条件に頷いていいものだろうか。恋人でもない男女が、まして社長と一社員が、ひとつ屋根の下で暮らすのは不自然極まりないのでは。
考えれば考えるほど正解がわからず野々花が頭を抱えていると、一哉はソファから立ち上がる。
「悪い、そろそろ保育園の迎えの時間だ。とりあえず一緒に来てくれ」



