本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「あぁ。先日の維月と李月は、俺の姉の子供なんだ。離婚してひとりで双子を育てているんだが、どうしても仕事で二ヶ月間海外に行かなくてはならなくて、その間俺が預かることになった」

一哉の姉、美月はフリージャーナリストだそう。海外の紛争地へ単身取材に行っているのだと聞き、その行動力に驚かされた。

「戦争の取材ってこと、ですか?」
「あぁ。元々新聞社に勤めていた頃から戦地取材を担当していたんだ。正義感が強いというと聞こえがいいけど、まぁ、色々と強烈な姉で……」

歯切れが悪い一哉に疑問を抱いたが、野々花の思考はすぐに双子のことへと移る。

(隠し子じゃなかったんだ……)

とんだ思い違いをしていたらしい。内心でほっと安堵のため息を漏らす。

「母はもう亡くなってるし、父と姉は折り合いが悪いんだ。それで命令を断れずに俺が預かってるんだが、想像以上に大変なんだ。あんな感じで少しも大人しくしてないし、俺も育児に慣れていなくて」