美月いわく、学生の頃から父に投資について叩き込まれ、美月も一哉も大学卒業時にはかなりの資産を形成していたそうだ。
双子はまだ保育園にいるらしく、美月は仕事中だったにもかかわらず、一哉の要望で野々花を迎えに来てくれたらしい。
「きっと一哉は最速で会見を開く予定でいる。そのために、この土日は準備で追われるはずよ。だから野々花ちゃんのそばにいてやってくれって頼まれたの」
「そうだったんですか。ご迷惑をお掛けしてすみません」
「なに言ってるの。迷惑だなんて思ってないわ。それに、こういうのは『目には目を』って言うでしょ? 私たちを敵に回したらどうなるか、身を以て理解してもらいましょう」
不敵に微笑む美月は、壮絶な美しさを放っている。
野々花の脳裏に、『姉は恐怖政治を敷く女王のような人なんだよ』と言ううつろな瞳の一哉が思い浮かんだ。たしかに目の前の彼女からは、決して敵に回してはならないと思わせるなにかがある。
顔を引き攣らせる野々花に、美月はカラッと笑った。



