(ただ、記者やカメラマンが女性だとすぐに口説こうとするのが困るんだよね……)
内心で苦笑していると、相澤がぐっと距離を詰めて顔を覗き込んできた。
「野々花ちゃん、今日なんか雰囲気違うね」
「そ、そうですか?」
広報部は会社の顔のため、オフィスでは自分にできる範囲できちんとしたファッションとメイクを心がけていたけれど、今日は土日で揃えた量販店の服。目敏い彼には、普段との違いがわかるのかもしれない。
(取材に同席する時用に、一着ちゃんとした服を持っておかなきゃ。あぁ、また出費が……)
自分が写真に映るわけではないけれど、やはり社外の人間を招くのに相応しい装いをしておくべきだろう。お金が出ていく〝チャリーン〟という悲哀に満ちた効果音が脳内に鳴り響いた。
「っていうか、顔色悪くない?」
「いえ、大丈夫ですよ」
「そう?」



