広報部のフロアに戻ると、心配そうな顔をした三柴と文乃に出迎えられた。
「宮部さん、早かったですね」
「野々花先輩……? なにがあったんですか?」
いつも通り『大丈夫』と言いかけ、口を噤む。再び、一哉の言葉を思い出したからだ。
『誰かに頼ったり甘えるのが下手で、『大丈夫』が口癖になってしまってる。だから、野々花が自然と頼れる存在でありたいと思ってるよ』
彼だけではない。気遣わしげにこちらを見ている後輩たちだって、野々花に言ってくれていた。
『なにかあったら、ちゃんと私たちに言ってくださいね』
情けないし、先輩としてしっかりしなくてはと思うのに、どうしても誰かに聞いてほしかった。
その様子に気付いた文乃から「先輩、こっち」と空いている個室ブースへと促され、野々花は素直についていく。防音設備の整った小さな個室に野々花と文乃、三柴の三人で入ると、文乃が口火を切った。



