さらに事実無根の記事だけではなく、誌面には写真まで掲載されていた。目元に加工が入っており、固有名詞も伏せられていたものの、少し調べればすぐに特定できるだろう。
日常生活を知らぬ間に撮影された上、無断で雑誌に載っているという恐怖に震えが止まらない。野々花は自分自身を抱きしめるように腕を回し、何度も深呼吸する。
(大丈夫。大丈夫……)
こうして自分自身に言い聞かせれば、大抵のことはなんとかなってきた。誰かに甘えたり頼ったりするのが苦手だという認識もなく、ただ自分がしっかりしなくてはと思い込んで生きてきた。
けれど、さすがに今回の件は自分ひとりで抱えるには重すぎる。
(一哉さん……)
野々花は、ミーティングルームで対策を練っているであろう恋人の名を思い浮かべる。



