本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


実際、相澤の女性関係は華やかだ。彼が女優やタレント、モデルなど有名人のお相手として熱愛報道が出るたびに対応しているのは、他でもない野々花のチームである。女性を見かければ褒めて口説くのは祖父がイタリア人だからだと本人は語っているが、その真偽は不明だ。

「今日はゴシップ誌じゃなくて、真面目なやつだよね」
「どれも真面目にしていただきたいですが……今日は経済誌の『週刊パール』です」
「パールなら俺じゃなくて一哉の方がいいんじゃないの?」
「いえ、今回は巻頭に写真も掲載していただくことになっているので」
「あぁ、なるほど」

相澤が苦笑して肩を竦めた。

この十年で驚異的な業績の伸びを見せているネイバークリプトには、若き経営者たちへの取材依頼が山のように舞い込んでくる。それらをすべて精査し、どの媒体からの取材を受け入れるかを広報部で判断しているのだが、一哉は会社設立当初から頑なに自身の写真の掲載を断っているのだ。

その理由は定かではないが、相澤が『モテるのが面倒なんて、あいつの考えることはわからないよ』と話しているのを聞いたことがある。女性嫌いとの噂もあるため、写真を掲載して煩わしい誘いが増えるのを懸念しているのかもしれない。