「そうだな。野々花は仕事もできるし、周囲に対する気遣いもできる。優しくて可愛いし、一緒にいたら楽しい。料理上手なところも好きだよ。君たちの自慢のお姉さんは、本当に素敵な女性だと思う」
「いっ、一哉さん……!」
てらいもなく答えると、梨々花たちは一斉に囃し立てる。一哉は「でも」と続けた。
「一方で、誰かに頼ったり甘えるのが下手で、『大丈夫』が口癖になってしまってる。だから、野々花が自然と頼れる存在でありたいと思ってるよ」
そう話すと、野々花は真っ赤になって俯いてしまった。そんな彼女の代わりに、香織が一哉を見て微笑んだ。
「野々花をよく見て、大事にしてくださっているんですね。ありがとうございます」
「いえ。今日ここにお邪魔して、ご家族に愛されている野々花さんを見て、より彼女を大切にしようと思えました」
それは嘘偽りない本心だった。
次にここに来るのは、きっと結婚の挨拶だろう。必ず彼女を守り、幸せにしてみせる。一哉は改めて自分に誓ったのだった。



