ふふ、と笑った香織は、やはり野々花と似ている。五年前に夫を亡くし、ひとりで子供を育てているとは思えないほど温和な雰囲気だ。
「今日はみんないるの?」
「大樹だけ出掛けてていないわ。梨々花は楽しみにしてるし、柊平も朝からそわそわしてる。野々花が未来の旦那様を連れて来るって聞いて、みんな落ち着かないのよ」
「み、未来の旦那様って……!」
真っ赤になる彼女を横目に、彼女の実家へと足を踏み入れる。案内されたリビングには、二十歳くらいの女性と、中学生と小学生の男の子がいた。彼らが野々花の弟妹だろう。
「野々花ちゃん、おかえり」
「ただいま、梨々花。元気だった?」
「うん、元気だよ。それより、紹介してよ。めっちゃイケメン! 本当に野々花ちゃんの彼氏?」
「こら、初対面の相手に失礼でしょ。こちらは白河一哉さん。一哉さん、妹の梨々花です。あっちが真ん中の弟の柊平と、一番下の弟の楓太です」
互いに挨拶を終えると、香織が手製の昼食を振る舞ってくれた。野々花が普段作ってくれる味付けと同じで、心があたたまる。



