『あの、おわかりだと思うんですが、私……恋愛は初めてで……』
『でも、嫌じゃないです。気持ちの準備だって、ちゃんと――』
脆くも理性は崩れ去り、衝動的に彼女の唇を奪った。とどめとばかりに『だ、抱きたくなったら……ダメなんですか?』と涙目で誘惑されては、二ヶ月間必死に我慢してきた一哉はひとたまりもなかった。
怖がらせないように、できるだけ痛みがないように、年上の男としての矜持を保とうとしたものの、どこまで実践できていたかは定かではない。それほど、清純さと色気という相反する魅力を纏う野々花に夢中になった。
「身体は大丈夫?」
隠れてしまった彼女に問いかけると、シーツの中で僅かに頷いたのがわかった。
「野々花。顔を見せて」
「む、無理です……! 今、恥ずかしすぎて……」
きゅっと身体を丸め、控えめに足をジタバタさせている。
(まいった。なんなんだ、この可愛い人は)



