「つかまってて」
そのまま一哉の寝室へと足を進め、大きなベッドの上に横たえられた。覆いかぶさる彼から再びキスの雨が降ってくる。今度は唇だけでなく額や首筋にも口づけられ、くすぐったさに身を捩る。
「本当に怖くない? 今ならまだ止めてやれる」
「大丈夫です。一哉さんなら、怖くない」
室内は明かりがついておらず、窓から差し込む月明かりが一哉の輪郭を縁取っている。あまりにも美しく、思わず彼の頬に指先で触れてみた。
「……っ、君は、本当に……」
怒ったような声がしたかと思いきや、再び唇を奪われた。
初めての深いキスにクラクラしながらも、野々花は懸命に応える。そのたどたどしさがさらに一哉を煽っているとは思いもせずに。



