本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「あの、おわかりだと思うんですが、私……恋愛は初めてで……」
「うん」
「でも、嫌じゃないです。気持ちの準備だって、ちゃんと――」

それ以上は言葉が続かなかった。抱擁が解かれ、奪うように唇が重ねられたから。初めての口づけは、想像以上に柔らかくて熱かった。

「ん……っ」
「本当に野々花は危なっかしい。そういうことを言うと、男は簡単につけあがるって覚えておいて」
「どういう意味ですか……?」
「初めてだとか、嫌じゃないとか、そういう嬉しいことを言われたら、すぐにでも君を抱きたくなる」

一哉はそう言いながらも、野々花の両肩を押すようにして距離をとった。ぬくもりが離れたのが寂しくて追いすがるように手を伸ばし、一哉のトップスの裾をきゅっと握りしめる。

「野々花?」
「……ダメ、なんですか?」
「え?」
「だ、抱きたくなったら……ダメなんですか?」