頬を真っ赤に染めた野々花が頷くのを待って、彼は大きな腕で野々花を包み込んだ。逞しい胸に閉じ込められ、うっとりと目を閉じた野々花の耳に届いたのは、感極まった一哉の呟きだった。
「あぁ、やっと触れられる。どれだけこの日を待ってたか……」
腕の中から彼を見上げると、これまで以上に熱く、欲を孕んだ眼差しで見つめられているのに気がついた。
恋愛経験のない野々花にもわかる。今、一哉がなにを望んでいるのか。
つい視線を逸らして俯いてしまったのは、嫌なわけでも怖いわけでもない。ただ恥ずかしかったからだ。けれど、一哉はそうは思わなかったらしい。
「心配しなくていい。野々花が嫌がることはしないし、ちゃんと気持ちが追いつくのを待つから」
回された腕が、背中を優しくトントンとたたく。
大切にされている。そう信じられるからこそ、彼にすべてを預けたいと感じた。



