「本当に子供の世話に慣れてるのね」
「うちはきょうだいが多い上に年の差も離れてて。一番下の弟はまだ小学二年生なんです。実家にいた頃は母に代わって下の子たちを見てたので」
「そうなの。野々花ちゃんはいいママになるわね。ねぇ、一哉もそう思わない?」
いたずらな笑みを浮かべた美月の発言にドキリとする。彼女は初対面にもかかわらず一哉に対する気持ちを見透かしているのか、たびたび野々花をからかうような発言を繰り返している。
「姉さん。野々花を気に入ったのはわかったから、あまり困らせるなよ」
「やだ、困らせてるつもりはないんだけど」
「無自覚ならなおタチが悪い。野々花、姉さんの言うことは八割方無視していいから」
姉弟の舌戦を聞きながら、野々花は頬を緩ませた。なんだかんだ言いつつも仲がいいらしい。
食事を終えると、いよいよ別れの時が近づいてくる。やはり双子は「やだの!」と泣き、「いちと、ののも、いっしょ!」と玄関でひっくり返って暴れ始めてしまった。別れを惜しまれるのは嬉しいけれど、悲しませるのは本意ではない。
「もう、仕方ないわね。じゃあ、野々花ちゃんだけでもうちに来る?」
「えっ?」



