美月が無事に帰ってきてくれてよかったと思っているのは本心だし、双子が母親に甘えているのを見るのは単純に喜ばしい。
けれど美月が帰ってきたのなら、双子は彼女とともに自宅に帰ることになる。それは野々花がここにいる意味がなくなるのと同義だ。
一哉もそれがわかっているはずだが、キッチンでその話題が出ることはなかった。今話すべき内容ではないと思っているのか、今後についての話を避けているように感じる。
きっと美月と双子が帰ったあとで、ゆっくり話すつもりなのだろう。野々花もまだ心の準備が整っていないため、短い時間とはいえ猶予をもらえたのはありがたかった。
「はぁー、和食が染みるわ。野々花ちゃん、料理上手ね」
「ありがとうございます。お口にあってよかったです」
五人で囲む食卓は、いつも以上に賑やかだった。
美月は見かけによらず豪快な食べっぷりで野々花を驚かせつつ、この二ヶ月間の出来事を聞きたがった。双子が一生懸命に話すのを笑顔で見守り、時に説明を補足していると、美月が感心したように言う。



