「あなたは一哉の外見だけでなく、中身を見てくれてるのね。野々花ちゃんみたいな子が一哉のお嫁さんに来てくれたら嬉しいわ。私、ずっと可愛い妹が欲しかったのよ」
美月はまるで野々花の恋心を見透かしたように笑った。
「ねぇ、一哉みたいな男はどう?」
「どっ、どうと言われましても……」
「あまり弟を褒めるのも癪だけど、外見とステータスは申し分ないと思うの。仕事ばっかりで女っ気がなかったから物足りないかもしれないけど、恋人になったら一途なんじゃないかしら。昔から気に入ったものは絶対に手放さない性格だったし」
完全に面白がっていそうな顔をしている。一哉の言う『恐怖政治を敷く女王』というイメージとは違うけれど、なかなか押しの強い性格をしているらしい。
どう答えるのが正解かわからずタジタジになっていると、大きな音を立てて玄関が開いた音がした。
「あら、噂をすれば。帰ってきたみたいね」
美月につられるようにしてリビングの扉に視線を向けると、慌ただしい足音が聞こえてくる。



