「じゃあ宮部さんは今、ここで一哉と一緒に住んでいるってこと?」
「はい」
「一哉とはお付き合いをされているのかしら?」
「……いえ」
否定すると、美月は目を伏せて小さく息を吐く。そして再び視線を合わせた彼女は形のいい眉をひそめ、瞳には懐疑的な色を浮かべている。
「学生の頃から、一哉の周りには容姿や家柄しか見ていないような碌でもない女性が多かったの。きっと起業を成功させた今は、もっとその手の女性が多いんじゃないかしら」
美月は、野々花がそうした女性たちと同じではないのかと疑っているのだろう。
一哉が多くの女性に言い寄られて辟易していたというのは、同居を提案された時の彼の表情からも察することができた。美月からは野々花を貶めるような悪意は感じられず、姉として一哉を心配しているのだと伝わってくる。だからこそ、野々花は真摯に答えようと姿勢を正した。
「この状況では、お疑いはもっともです。実際、私は維月くんと李月くんのお世話をする一哉さんのお手伝いをするだけで、ここに住まわせてもらうという恩恵を受けているので」



