「そこまで手が込んでるわけじゃないですよ。以前、弟のために色々調べて作ってたんですけど、ふたりにも喜んでもらえてよかったです。夕食はもっと気合い入れますから、一哉さんも楽しみにしててくださいね」
今日は双子の誕生日だが、二日後は一哉の誕生日でもある。野々花は三人の合同誕生日パーティーをしようと張り切っていた。
「ありがとう。でもせっかくの夏季休暇なんだ。あまり無理はしないで、野々花自身のために時間を使って」
「無理はしてないですよ。こういうお祝い事って久しぶりで、つい楽しくなっちゃって」
野々花の実家では、家族の誕生日を盛大にお祝いしていた。両親と子供五人の誕生日に加え、クリスマスやお正月、ひな祭りにこどもの日など、振り返ればほとんど毎月のようにケーキを用意してパーティーをしていたのだ。
ひとり暮らしになるとそういった賑やかなお祝い事とは縁遠かったため、こうして一哉の家に居候している間に三人の誕生日を祝えるなんて、野々花にとっても楽しいし嬉しい。
照れながら伝えると、一哉は納得したように頷いた。
「素敵なご家族だな。話を聞いているだけで仲のよさが伝わってくる」
「そうですね、仲はいい方だと思います。年が離れてるっていうのもあるのかも」



