本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


すると、ふたりは「のの、げんきなーれ!」とシーツをたたく手を激しく上下させた。最早寝かしつけではなく、ドラムの演奏のようだ。

「ふたりとも静かに。とんとんするなら、優しく」
「はーい」
「悪い。リビングに残しておくつもりだったんだが、ふたりも野々花を心配してたから」
「ふふ、大丈夫です。私、今すごく幸せ……」

こうして喋っているだけでも体力を使うのか、だんだんと眠くなってきた。瞼が重たくなってきたのを察した一哉は、握っている手に優しく力を込める。

「おやすみ、野々花」

額に柔らかい感触が落ちた気がしたけれど、深い眠りに落ちていく野々花には、それがなにかわからなかった。