本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「ダメか?」
「だ、ダメなわけでなくって、その……」
「じゃあ呼びたい。野々花、可愛らしい君によく似合う名前だ」

一哉の言葉に照れる間もなく、双子が先を争うように野々花に手を伸ばしてきた。

「いちゅき、のの、とんとんしゅる」
「りちゅきもー」

小さなふたつの手がぱたぱたと不規則に動く。きっと寝かしつけの真似をしているのだろう。ベッドの脇に立つ彼らの身長では野々花の身体に届かず、なにもないシーツの上をたたいているだけだ。

それでも、ふたりの野々花を思いやる気持ちが伝わってきて、野々花は潤んだ瞳を細めて微笑んだ。

「維月くん、李月くん、ありがとう」
「のの、いたい?」
「ううん、痛くないよ。ちょっとお熱があるけど、たくさん寝たら元気になるから」
「また、あしょべる?」
「うん。早く元気になるから、いっぱい遊ぼうね」