本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


維月が楽しそうに笑い声を上げて走り出した。無邪気なその様子を見ていると、妹や弟が小さかった頃を思い出す。

野々花が物心がつく頃には、常に家に小さな子供がいる環境だった。一番上の妹も七つ年下のため、小学校低学年の頃から赤ちゃんのお世話をしていた記憶がある。その妹も現在二十一歳になり、その下の弟は二十歳、十四歳、八歳と続く。

小学生の頃、母から『野々花はしっかりしたお姉ちゃんで助かるわ』と褒められたことが嬉しくて、進んで家事も育児も手伝っていた。おかげで家事全般が得意になったし、出産経験はないが育児はお手の物。世話焼きな性格もそこで培われたのだろう。

「捕まえたー!」
「きゃあ! ちゅぎ、こーたい!」
「よーし、逃げろーっ」
「まてまてー!」

(ふふっ、可愛いなぁ)

マンションが火事に遭い、これからやるべきことが山盛りで気分が沈んでいたけれど、こうして童心に返り思いっきり遊んでいると少し気が紛れる。