「早い方がいいですよね? 今週末にも内見に付き合いますよ。予定空いてます?」
「えっ? 紹介してくれるのはありがたいけど、三柴くんに内見まで付き合ってもらうのは悪いよ」
「全然。むしろ手伝わせてください。紹介した手前、変な物件だったら嫌だし」
「でも――」
ふたりで問答していると、野々花の言葉を遮って一哉が声を発した。
「その必要はない」
不機嫌そうな低い声に驚いて見上げると、一哉が真っすぐにこちらを見つめている。射抜くようなその眼差しに、野々花は瞳を揺らす。
「おっしゃっている意味がわかりません。これは僕と宮部さんとの間の話です」
野々花よりも先に、向かいの三柴が口を開いた。それにすぐさま一哉が言い返す。
「彼女に新しい家は必要ないと言っている」
「なぜ社長がそのようなことを?」



