「それと、宮部さんさえよかったら新居が決まるまで俺の――」
「なになにー、何の話?」
三柴がなにか言いかけた瞬間、会話に割って入ってきたのは相澤だった。その後ろには一哉もいる。
(えっ、どうして……)
社員食堂に彼らがやってくることは滅多になく、周囲は大きくざわついている。
しかも現在は野々花と一哉の噂が出回っているのだ。仕事ならともかく、業務外で一緒にいるところを見られるのは色々とまずいのではないだろうか。
どうすべきかと逡巡する野々花に代わり、いち早く口を開いたのは三柴だった。
「お疲れ様です。宮部さんが引っ越しを考えているそうなので、不動産に勤めている友人を紹介する話をしてたところです」
三柴の返答に、一哉の片眉がぴくりと上がった。



