本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


豪華すぎるマンションにも、なにかとドキドキさせてくるプライベートの一哉にも慣れない部分はあるけれど、それでも三人と過ごす日々は楽しくてあたたかくて、ずっとこの生活が続けばいいのにと考えてしまうくらい大切な時間だ。

それをまるで不誠実なもののように言われ、少なからずショックを受ける。

そのせいか、ミーティングに集中していた時は感じなかった頭痛が徐々に存在感を増してきた。頭がぼうっとして、目の奥が熱い。

野々花が眉をしかめたのに気付いた三柴が、慌てて弁解した。

「すみません、嫌な言い方をしました。宮部さんを責めるつもりはなくて――」
「ううん、こっちこそ変な話を聞かせてごめん。心配させちゃってるんだよね」
「心配くらいさせてください。まさか自宅が火事に遭ってたなんて、もっと早く知ってたら助けになれたかもしれないのに」

三柴が悔しげに顔を歪める。クールに見えて、意外に情が厚いのだ。

「ありがとう」
「健先輩の言う通りですよ。でもそういう意味でも社長の家で同居してるのなら安心です。野々花先輩ってしっかりしてるのにどこか危なっかしいから、新しい家が決まるまでネカフェで凌ぐとか言い出しそうですし」