いくら自社の社員とはいえ、子供を預けるのはかなり信頼関係がないと不安になるだろう。相手が勤務先の社長とはいえ困っている人を放っておけずに提案したのだが、ありがた迷惑だったかもしれない。
しかし、一哉はホッとしたように表情を緩めた。
「いや、すごく助かる。じゃあ申し訳ないが李月をトイレに連れていく間、維月を任せてもいいか?」
「はい。ここで待ってますね」
オムツを替えられそうな多目的トイレがアスレチック広場の奥にあることも伝えると、一哉は「ありがとう、行ってくる」と、李月を抱えてトイレへと向かった。
その背中を見送り、野々花は維月と目線を合わせるようにしゃがみ込む。
「よーし、維月くん。どっちが鬼をする?」
「いちゅき、にげりゅ!」
「オッケー、じゃあ私が追いかけるよ! 待て待てー!」
「きゃああっ」



