文乃いわく、都立公園で一哉と野々花が一緒にいるところを目撃した社員がいるらしい。子連れだったため、一体どういう関係なのか、または他人の空似だったのかと、様々な噂が飛び交っているらしい。
「あぁ、それで昨日からじろじろ見られてたんだ」
疑問の答えがハッキリしたのはありがたいが、また別の問題が浮上した。まさかあんなに広い都立公園で一哉と一緒のところを見られるなんてまったく想像していなかったし、社内に噂が回る速度にも驚かされる。
「みんなめちゃくちゃ気になってますよ。女嫌いって噂の社長が自社の美人広報と子連れデートなんて」
「いや、デートってわけじゃなくて」
「デートじゃなければなんなんですか? 一緒に公園に行ったってところは認めるんですよね?」
好奇心を隠せずぐいぐい迫ってくる文乃にたじろぐ。助けを求めてちらりと三柴を見たが、彼はいつも通りのクールな表情で「できれば俺も聞きたいです。気になるので」と文乃側についてしまった。
話すか悩んだが、文乃に「気になって仕事が手につきません!」という可愛いワガママに気圧され、他言無用と念を押した上で、一哉と条件付きの同居をしているのだと伝えた。



