「ふふ、可愛い」
いまだにイヤイヤ期の兆候はあるけれど、それでも都立公園で寂しい気持ちを少しでも吐き出せたのがよかったのか、ふたりは手が付けられないほどワガママを言ったり癇癪を起こしたりすることはなくなった。
食事を終えると慌ただしく保育園の準備をして、四人一緒に玄関を出る。
「宮部さん、顔色悪くないか? 朝食も残していただろう」
ふたりをチャイルドシートに乗せ終えると、一哉が至近距離で顔を覗いてくる。野々花は鋭い指摘にドキッとしながらも、平常心で「大丈夫ですよ」と返した。
体調が悪いと伝えたところで、なにも変わらない。熱があるわけではないのだから出勤はできるし、余計な心配をかけたくはない。
(大丈夫。〝病は気から〟って言うしね)
この考え方は子供の頃からだ。忙しい両親を煩わせたくなくて、ちょっとした体調不良は気合いでなんとかなると考えているし、実際なんとかなってきた。



