本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


一哉の説明に、相澤は目を見開いた。どうやら好奇心よりも驚きと困惑が勝ったらしい。

「いやいや、おかしくないか? なんでベビーシッターを雇わず野々花ちゃんに頼む? それに住み込みって」
「言っておくが、お前が考えるような不埒な真似はしてないからな」

心の中で『今は、まだ』と付け足しつつこれまでの経緯を簡潔に説明すると、相澤も一応は納得したようだ。

(だけど、社内で噂になっているのは問題だな)

一哉はなにを言われようと痛くも痒くもないが、女性である野々花にあることないこと誹謗中傷が向けられるのは避けたい。こういうのはなぜか往々にして女性にヘイトが向けられることが多いと経験上知っている。

野々花が傷つくような事態を避けるべく手を打たなくてはと続けると、彼は再び目を大きく見開いて絶句している。

「……なんだよ、その顔」
「いや、意外すぎて驚いてる。だって起業してこっち、全然女に興味なさそうだったのに。個人投資家のセレブなお姉様とか、パーティーで知り合った女優とか、どんな美人でもまったく相手にしなかったじゃん」