「おい一哉、聞いたぞ。週末にデートしてたんだって?」
「……なんの話だ?」
「フロアで噂になってたんだよ。一哉と女の子が都立公園で一緒にいたのを見た社員がいるらしい。相手は野々花ちゃんなんだろ? 先週から怪しいと思ってたけど、いつの間にそんなことになってるわけ?」
一哉は小さくため息をついた。相澤とは大学の頃からの付き合いだが、気になることはとことん突き詰めないと気が済まない性格だ。きっとすべて白状するまではこの部屋から出ていかないだろう。
「わざわざ近場の公園を避けて車を出したのに、世間は狭いな」
「なぁ、どうなってるんだ? 噂によれば、お前らが小さい子供を連れてたって」
相手は野々花だと噂されてるが、子供連れだったこともあって、どういう関係なのかと色々憶測が飛んでいるらしい。
「二ヶ月ほど姉の子供を預かることになったんだ」
「じゃあその子は一哉の甥っ子ってことか。なんだ、隠し子かと思った」
「そんなわけないだろ。二歳前の双子の男の子なんだけど、とても俺ひとりじゃ見きれなくて、宮部さんに住み込みで協力してもらってるんだ」



