本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


「ありがとう。ふたりと一緒にいてくれるのが宮部さんで、本当によかった」
「そんな、私はなにも……」
「いや。君の優しさや笑顔に救われてる。双子だけじゃなく、俺も」

一哉が本音を伝えると、野々花は耳まで真っ赤にして目を伏せた。これほど魅力的な女性なのに、彼女はあまり男に慣れていないらしい。そんな初心なところも愛おしく感じる。

自分に惚れないであろう女性でないと双子の世話を任せられないという理由で野々花にシッターを頼んだはずが、一哉の方が彼女に魅入られている。半年前、あの記者との会話を聞いた時点で、もしかしたらすでに彼女に落ちていたのかもしれない。

一哉は野々花の視線が双子の寝顔に映ってしまったのを不満に思う自分に苦笑するのと同時に、彼女への恋心を強く自覚したのだった



公園でリフレッシュした翌日の月曜日。出社早々、相澤がニヤニヤしながら社長室に入ってきた。