本日より、弊社社長と疑似子育て始めます


そんな美月が初めて一哉に頭を下げてまでやり遂げたい仕事なのだからと、絆される形で双子を預かることに同意した。

しかし、姉が日本を発って数日で限界を感じることとなる。

双子はとにかくやんちゃで、元気いっぱい。一瞬でも目を話したらイタズラをしたりケンカしていたりと、家でも気が休まらない。夜通し仕事をしていた方が楽だと感じるほど、慣れない双子の育児は大変だった。

それならすぐに眠ってくれるように日中たくさん遊ばせようと双子を連れて公園に行ったが、それが大失敗。維月も李月もやりたいことが別々になると、ふたり同時に突然反対方向に走り出す。

手も目も足りず、体力には自信があったはずの一哉だが、公園に来て三十分もしないうちにヘトヘトになってしまった。この生活をずっとひとりでこなしているのだと思うと、初めて姉に尊敬の念が芽生える。

そんな時、トイレに行きたいと言い出した李月に意識を向けたちょっとした隙に、維月が走り出した。園内のサイクリングロードを走る自転車とぶつかりそうになったのを助けてくれたのが野々花だった。

彼女のことはもちろん知っている。近頃では仕事でかかわることも多々あるため、優秀な女性だと認識していた。