(こんな格好で……恥ずかしい)
普段からオシャレをしているわけではないけれど、今日は一段と酷いのだ。
とにかく少しでも安く買おうと駆け込んだファストファッションの店で買ったTシャツワンピースをそのまま着ているだけ。メイクも髪も最低限しか整えておらず、ほぼすっぴんのようなものだ。つい一哉の視線から隠れるように俯きがちになる。
「維月、ひとりで走っていったらダメだろ。危ないから、ちゃんと手を繋ぐんだ」
「おてて、ちゅなぐ」
男の子は叱られているにもかかわらず、にこっと笑って野々花の手をぎゅっと握った。その愛らしさに「可愛い……」と笑みが零れる。
「あ、こら。宮部さんとじゃなくて」
すると、今度は一哉と手を繋いでいる男の子が「おしっこ!」と再び主張し始めた。



