天邪鬼な私に、宣戦布告されました

真っ直ぐだった。

逃げない目。

冗談の逃げ道もない声。

「……え」

心臓の音が、やけに大きい。

「な、にを、そんなこと……。冗談だっ」

「冗談なんかじゃない。本気で好きなんだ」

その声色に、息を呑む。

ふざけた調子も、逃げ道もない。
真っ直ぐに向けられた視線が、熱を帯びている。

「俺ってさ、口を開けばいつも場の雰囲気壊すやつだっただろ。みんな遠巻きに見てた」

自嘲気味に笑う。

「でも桜庭はさ、俺がどんなに嫌なこと言っても、顔曇らせなかった」

胸が、ちくりとする。

「むしろ“ありがとう”とか言ってきたんだよ」

風が、二人の間を通り抜ける。

「なんだこいつって思った。気になってた」

ゆっくり、言葉を探すように続ける。

「修学旅行のとき、覚えてる?」

心臓が跳ねる。

「“自分の言葉をコントロールできなくて苦しいの?”って、聞いてきただろ」

あの時の沖縄の爽やかな風を思い出す。

「俺、あんなふうに見抜かれたの初めてだった」

少しだけ、目が揺れる。

「驚いたし……怖かった。でも同時に、嬉しかった」

静かに息を吸う。

「そのとき気づいたんだよ。あ、俺、この子好きだって」