天邪鬼な私に、宣戦布告されました

時間が止まる。

(付き合う?
颯斗と?
颯斗の彼女になる?
隣に並ぶ?)

キラキラと光を受けて輝いていた琉球ガラスが、足元で音もなくひび割れる。

次の瞬間、砕けて、私の上に降り注いだ。

――無理。

「無理……」

「えっ?」

しまった。
心の声が漏れた。

でも。

逃げられない。

「ごめん、無理だ……。私、颯斗の隣に立つ自信ないよ」

「どういうこと?」

まっすぐすぎる目。

痛い。

「イケメンで、みんなの注目浴びる颯斗の隣にいられない」

「そんなの……逆だろ。桜庭の隣に立つ方が注目されるんだよ」

「何言ってるの」

首を振る。

「それだけじゃない」

息を吸う。

「颯斗、私が由乃たちからなんて呼ばれてるか知ってる?」

「沙彩」

「違う。名前じゃなくて」

喉が乾く。

「私、“天邪鬼”って言われてるの」

風が止まる。

「みんなが好きなもの、好きになれないの」

颯斗の眉が、わずかに動く。

「それって……」

「みんなが好きな颯斗を、好きでい続ける自信がないってこと」

胸が締め付けられる。

「本当はね、颯斗のこと好きだった」