天邪鬼な私に、宣戦布告されました

言葉が落ちる。

逃げられない重さで。

「で、あの音楽室の階段」

沙彩の指先が、無意識に膝を握る。

「落ちてきた桜庭を受け止めたとき、俺……本気で嬉しかった」

声が、少しだけ震える。

「守れたって思った。俺が守ったって」

まっすぐな目。

「その瞬間、心の声と口が一致したんだ」

一拍。

「大丈夫?良かったって、ちゃんと思えた」

夜の公園は静かだ。

屋台のざわめきも、遠い。

「桜庭がいると、俺はちゃんとしたいって思える」

ゆっくりと、決定的な言葉。

「だから好きなんだ」

『それは俺が颯斗から出されたからだろ。沙彩は腹に鬼がいるから前の颯斗が好きだっただけだぞ』

鬼太の声が、遠くで響く。

でも今は、入ってこない。

(颯斗が私を好き?
前から?
両思いだった?)

「桜庭、俺と付き合ってください」