天邪鬼な私に、宣戦布告されました

次の日から、

「颯斗、頭打ったせいで性格変わったらしいよ」

そんな噂が、あっという間に広がった。

気づけば、颯斗の席の周りに人だかりができている。

最初は男子だったのに、
いつの間にかそれは女子へと変わっていた。

私はというと、

「颯斗を変えた人」

という謎のキャッチコピーを背負わされ、なぜか神格化されている。

意味がわからない。

『あーあ。俺がいた頃はさ、颯斗の周りに恒一と晴人しかいなかったのに』

ぼやく声が、肩のあたりから聞こえてくる。

『なんだよ、あれ』

小さな鬼が、腕を組んで不機嫌そうに唇を尖らせている。

なぜか颯斗の小鬼は、私のそばから離れなくなっていた。

「ちょっと、なんで私についてるわけ?」

できるだけ小声で囁く。

『俺だってわかんねぇよ。ずっと颯斗の中にいたんだぜ?
人間から出た鬼がどうなるかなんて、知らねぇし』

小鬼は肩の上でふんっと鼻を鳴らす。

『人間から出た鬼がどうなるかなんて、知らねぇし』

――わからないのは、こっちも同じだ。