天邪鬼な私に、宣戦布告されました

颯斗への想いが、

またひとつ積もっていく。


――「俺、桜庭に嫌な思いさせたんじゃないのか?」

体験のときの声が、

ふいに胸の奥でよみがえる。


(苦しそうだったな……)

私の存在なんて気にしていないみたいに、

前だけを見て歩く背中。


その背中を追いながら、

膨らんでいく“好き”と、拭いきれない“痛み”が、

心の中で静かに揺れていた。



青く澄んだ海と空に挟まれながら、

私たちは沖縄を後にした。



こうして――

高校生の一番の思い出になった修学旅行は、

颯斗との距離がほんの少しだけ縮まったまま、

終わりを迎えた。



行きとは違う恋心を抱いた人は、

いったい何人いるのだろう。



でも。



このときの私は、まだ知らない。



自分の恋心が、

あの琉球ガラスのように――

少しずつヒビが入っていくように脆く

木っ端微塵に砕け散ることになるなんて。