天邪鬼な私に、宣戦布告されました

私はそう声をかけ、

一人で静かにジンベエザメを見つめた。

時が止まったように、

いつしか私の思考は目の前の水槽に溶けていた。

あんな風に、

静かな水の中をゆったりと泳げたらいいのに……。

「綺麗……」

どれだけその場にいたのだろう。

由乃たちを追いかけなくちゃ、と視線を横にずらすと――

「あれ?」

そこには、

同じように水槽を眺める颯斗がいた。

彼が、私を見た。

「うるさいの、嫌なんだよ」

ぽつりとそれだけ言うと、

背中を向けて歩き出す。

待っていてくれたのかもしれない。

そう、自分の都合のいいように解釈すると、

胸がきゅんとなる。

長い脚でどんどん進んでいく颯斗。

その背中を追いかけるように、

胸のドキドキと同じ速さで足を運んだ。

(好き……)