ちょっと天然の女子はきらきらでピカピカになる

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「なんで、制服なの?」
 
 家の中から、白いセーラー服を着て現れた私を見て、リクちゃんが不思議そうに、訊いてきました。

 リクちゃんは、ピンピンの一万円札に折り目がつかないよう、ずっとそれを大事に両の手で持っています。

「だって、ドン・ジョンソンだよ。ちゃんとした格好して行かなかったら、入店お断りされちゃうよ」

「じゃあ、俺も着替えなきゃ」

「リクちゃんはいいよ。お店の中には、私が一人で入るから。リクちゃんは、お店の前で待ってて」

「そっか。着替えに戻るの面倒くさいし、じゃあ、俺はこれでいいか」

 そのマントヒヒでいいよ。
 私は、リクちゃんの胸のマントヒヒを見ながら、うなずきました。
 マントヒヒも、イイダロウーッキッキというような顔をしています。

「リクちゃん、ホント、ごめんね。こんなことにつきあわせちゃって」

「なんで? 俺は、全然、かまわないよ」

 リクちゃんは、どうしてそんなことを言うんだというような顔をしています。

「ありがと」

 私が言うと、またリクちゃんは、きょとんとした顔をします。
 
 太陽の光が降り注ぐ中、私たちは並んで歩きました。

「グリズさん、すごい体してるよな」

「リクちゃん、どうして、裸になったの? グリズさんに対抗したの?」

「ううん。グリズさんが裸になったから、俺も裸になっただけ」

「合わせた、ってこと?」

「うん」
 リクちゃんは、澄んだ目で、うなずきます。 

「グリズさん、リクちゃんの力に、驚いたみたいじゃない?」

「グリズさんの力も、すごかったよ」

「それで、リクちゃんも力をいれたの?」

「うん」
 リクちゃんは、澄んだ目で、うなずきます。

「対抗したんじゃなくて、合わせたのね」

「うん」
 やっぱり、リクちゃんは、澄んだ目でうなずきます。

「グリズさん、痛がってたじゃない」

「俺も、すげえ痛かったもの」

「合わせたんだ?」

「うん」
 リクちゃんの目に、うそはないようでした。

 意地を張ったりしないのがリクちゃんなんです。

「グリズさん、怒ってなかった?」

「なんで? 怒る必要ないだろ?」

 リクちゃんは、またまたきょとんとします。

「そうだね」

 私は、さわやかではないグリズさんを思い出しながら、リクちゃんに微笑みました。

 夏の日は高く、二人の影は、足元に短く落ちていました。